通年性アレルギー性鼻炎は、水様性の鼻水、くしゃみ、鼻づまりなどのアレルギー症状が、季節を問わず現れる疾患です。鼻の症状だけでなく、目のかゆみや涙目を伴うこともあります。主な原因(アレルゲン)は、ダニ、カビ(真菌)、ハウスダスト、ペット(イヌやネコなどの毛やフケ)などが知られており、なかでもダニは日本人にとって最大のアレルゲンです。スギ花粉などによって引き起こされる花粉症(季節性アレルギー鼻炎)と、混在していることもしばしばあります。近年の鼻アレルギーの全国疫学調査では、日本人の約4人に1人が通年性アレルギー性鼻炎であることが分かっています。
私たちは通常、鼻で息を吸うためアレルギー性鼻炎によって鼻水や鼻づまりなどの症状が生じると、勉強・仕事・家事への支障、精神集中不良、思考力の低下、新聞や本を読むことへの支障など、日常生活の様々な場面に影響を及ぼします。また、外気が乾燥していても呼吸時に鼻を通ることで空気に湿度が加えられて体内に入りますが、鼻がつまって口呼吸になると、乾燥した外気がそのまま体内に入り、感染症のリスクも高まります。こうしたことからも適切な治療を受け、症状をしっかり抑えていくことが重要です。