COPDは、タバコ煙などの有害物質によって、気管支や肺胞に炎症が起こり、咳や痰、気管支壁の繊維化や肥厚による末梢気道の狭窄や肺胞の破壊を生じる炎症性疾患です。かつて「肺気腫」や「慢性気管支炎」と呼ばれてきた病気の総称です。
初期には無症状で、自覚しにくいのが特徴です。しかし進行すると咳、痰、階段や坂での息切れが現れ、「年のせい」と思い込んで放置されるケースも多く、実際には肺機能が急速に悪化します。特に40歳以上、喫煙歴10年以上の方は注意が必要です。

COPD
COPD
COPDは、タバコ煙などの有害物質によって、気管支や肺胞に炎症が起こり、咳や痰、気管支壁の繊維化や肥厚による末梢気道の狭窄や肺胞の破壊を生じる炎症性疾患です。かつて「肺気腫」や「慢性気管支炎」と呼ばれてきた病気の総称です。
初期には無症状で、自覚しにくいのが特徴です。しかし進行すると咳、痰、階段や坂での息切れが現れ、「年のせい」と思い込んで放置されるケースも多く、実際には肺機能が急速に悪化します。特に40歳以上、喫煙歴10年以上の方は注意が必要です。
COPDの診断には以下の検査が用いられます。
問診・身体診察
医師が咳、痰、息切れの有無や喫煙歴、職業歴などを詳しく伺います
肺機能検査
(スパイロメトリー)
一秒量(FEV₁)と努力肺活量(FVC)の比率(FEV₁/FVC)が70%未満で気流制限があると診断されます。
画像検査
(胸部X線・CT)
肺胞の破壊や肺気腫の状態の観察、他の疾患との鑑別のために撮影します。
早期発見が非常に重要な病気のため、定期的な健康診断や気になる症状がある方は早めに受診をおすすめします。
COPDでは喫煙が最大の原因となるため、最も重要かつ効果的な治療です。禁煙外来や補助薬、パッチなどの支援を活用し、医療のもとで禁煙を目指します。
主に以下の薬剤を使用します
サルメテロール、チオトロピウムなどの吸入薬により気管支を拡張し、息切れを軽減します
喘息合併などアレルギー性の炎症を伴う人は吸入ステロイド(ICS)を併用することで症状や悪化リスクの抑制が期待されます
痰や咳が多い場合や、増悪予防に用います
気管支拡張薬の増量、短期の全身性ステロイド、必要に応じて抗菌薬を用います
運動療法
ウォーキング、自転車こぎ、筋力トレーニング
呼吸法訓練
口すぼめ呼吸、腹式呼吸
このリハビリにより、息切れの軽減、体力向上、QOL改善が得られ、長期的な予後にも良い影響を与えます。
在宅酸素療法
(HOT)
安静時または運動時の低酸素血症に対して、酸素を自宅で供給する方法です。生命予後の改善にもつながります
非侵襲的陽圧
換気療法(NPPV)
呼吸不全が進行した場合にマスクを装着し外部から空気を送り込み呼吸を支援します。
禁煙の継続
受動喫煙も悪化因子となるため、完全に禁煙することが重要です
感染対策
インフルエンザ、肺炎球菌、新型コロナの予防接種を受けましょう
定期的な運動
筋力強化や有酸素運動で体力維持。呼吸リハビリ継続も推奨されます
栄養管理
過剰でも不足でもなく、バランスのよい食事で健康維持に努めましょう
セルフマネジメント
日々の症状・ピークフロー測定や吸入薬使用を習慣化し、悪化を早期に察知・対応する力を養います
在宅酸素使用時の注意
火気厳禁、適切な流量管理、加湿、定期的な装置点検が必要です
COPDは一度損なわれた肺機能を完全に回復することは困難ですが、早期発見と包括的治療により、進行防止や生活の質の維持は十分可能です。気になる症状や喫煙歴がある方は、どうぞお気軽にご相談ください。
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