気管支喘息は気道に慢性的な炎症が生じて、様々な刺激に敏感になり、気道が狭くなる発作を繰り返す病気です。喘鳴(呼吸のたびにゼーゼー、ヒューヒューと鳴ること)や激しい咳、痰が出て呼吸が苦しくなります。夜間や早朝に発作が出やすいという特徴があり、時に呼吸困難を起こし、命に関わることもあります。炎症を治療しない限りいつまでも発作が出現し、さらに炎症が長く続くと、気管支自体が硬くなる「リモデリング」という病態を発症し、治療が難しくなってしまうこともあります。
原因としてはチリダニやハウスダスト、ペットの毛、花粉、カビ、食物などのアレルギーによることが多いとされていますが、原因物質が特定できないこともあります。小児喘息はおよそ9割にアレルギーの関与が認められ(アトピー型喘息)、成人喘息はアレルゲンを発見できるのは6割程度で、残りの4割はアレルゲンを発見できない非アトピー型喘息といわれています。
気管支喘息は治療をせずに放っておくと悪化しますが、適切な薬物治療と自己管理の継続で、これまでと変わらない生活を送ることができます。継続して治療に取り組むことが大切な病気です。